トラップで捕獲する

捕獲は、非常に時間のかかる作業で、沈着さと忍耐を要します。群れの規模と健康状態を事前にチェックしておきます。定期的に餌やりをしている人がいれば、協力を求め、成猫、授乳中の母猫、妊娠中のメス猫、子猫などに分けて、各グループ別に数を確認します。トラップはできるだけ速やかに、組織的に設置します。繁殖期は、授乳中の母猫が子供を失ったり、また、妊娠中のメス猫が流産する危険も多いので、ボランティアや近所の人を悩ませがちなこの時期を避けた方がいいでしょう。
できれば、数日前から同じ所で同じ時間に餌を与えて慣れさせておきます。猫は習性の動物なので、いつもの餌の時間に捕獲するのが最適です。ワナを仕掛ける予定日の前には空腹にさせておきます。いつも餌を与えている人がいれば、食べ物をその辺りに残しておかないように伝えます。猫を手なずけて餌をあげている人は、食事が数時間遅れても嫌がるものですが、なんとか上手に説得しましょう――「結局はあの子たちの幸せのためになるんですよ……」と。
余裕があれば、数日前から、いつもの餌やりの時間に、区域内の数個所に(仕掛けが作動しない状態で)トラップを設置し、猫に慣れさせておきます。猫は夜行性なので、夜遅く捕えるのが望ましいのです。明け方と夕暮れどきも向いています――特に、暑い季節には。猫は雨を嫌うので、大雨のときにワナを仕掛けるのは時間の無駄です。不妊手術を受けるまでに長く待たされることのないよう、捕獲のタイミングを測ることが重要です。手術日の前夜か当日の早朝に捕えるのが最適でしょう。手術前数時間は餌を与えないように。ただし、幼い猫は、長く絶食させると、麻酔の後で低血糖症に陥る恐れがあります。疑わしいときは、獣医にみせます。暑い季節、また、猫がトラップ内に4時間以上閉じ込められていた場合は、水を飲ませます。

大きな群れの中にトラップを設置するときは、まず獣医師に相談し、1回に何匹の猫を手術できるか確認します。捕えた猫を何らかの理由で逃がした場合、再び捕まえるのはきわめてむずかしいことを忘れないように。彼らはたちまち「ワナ恐怖症」にかかってしまい、メス猫の場合はとりわけ著しいのです。

トラップには3種類あります――自動式、手動式、それに、多数の猫を一度に捕えるタイプ(手動式が多い)の3つです。自動式捕獲器は操作が比較的簡単です。猫が「トリップ板」にのると自動的に扉が閉まる仕組みです。ただ、問題点は、特定の猫をねらって捕えるには向いていないこと、それに、扉が閉まるときにガチャンという音がするため、群れ内の「小心者」をおびえさせて逃がしてしまうこと。しかし、扉の縁に(パッド入り)粘着テープを貼ることで、大きな音がしないように工夫できます。このタイプの長所は、区域内にいくつものトラップを設置して、比較的短時間で数匹の猫を捕えられることです。使用前には必ずバネ装置を点検し、十分に油をさしておきます。捕獲器に足を踏み入れた猫が餌を食べて平然と出て行くのに仕掛けは作動しない――これほど腹立たしいことはありませんから。

手動トラップの方が便利な場合もあります。既製品を買うか、または、木工の心得が多少あれば「手作り」もできます。また、自動トラップを手動に作り直すことも可能です。扉の下部中央に小さい穴をあけて紐を通すことにより、扉を開けたままにしておいて、猫が中に入るのを見届けてから手で閉められるように工夫できます。木製の手動トラップの方が警戒心を抱かせず、また、深刻なトラウマも防げるのではないか――そういう考えもありますが、どちらを選ぶかは個人の自由です。手動の方が時間はかかるものの、特定の猫をねらう場合は有効です――例えば、ある身重のメスを捕まえたいというような。最初にトラップ内に踏み込むのは若いオス猫が多いのです。
扉は、猫が中に入ってしまうのを確認してから、素早く完全に閉めるようにします。猫は瞬時に「ためらい」や「まちがい」を察知しますから、ぐずぐずしていると取り逃がし、「二度と捕まるものか」と警戒させてしまうのです。

「多数用トラップ」は一度に何匹も捕まえられます。問題は、パニックになって仲間同志で喧嘩を始めたりすること、また、たくさんの猫が中に入っていると、持ち上げるのも、動かすのも大変なことです。子供たちを従えた母猫とか、一緒に餌を食べている小グループなどを捕えるときには役立ちます。最初は「不意打ち」できるため、捕獲しやすいのです。初回は「猛攻撃」をしかけて、トラップ恐怖症にかかる前にできるだけ沢山捕えるようにします。オス猫の中には、何回もトラップに入って「タダめし」を食らいながら、危険に気づかない間抜けな奴もいます。メス猫は、さすがに用心深いのですが……

群れの中では、先ず、妊娠中のメスを捕えます。オスは後でいくらでも捕まえられますから、出産間近のメスに子猫を産ませないことを優先するのです。妊娠末期になってから中絶する獣医もいますが、その場合、回復に1、2日必要です。入院用ケージを用意し、扉をトラップ/クラッシュ・ケージから直接移せるような向きにして並べて置くと便利です。この段階の猫を手でさわらなくて済みますから。
授乳中のメスを捕えてしまったら、生後間もない赤ちゃん猫がいないか、そのあたりを探します。母猫に不妊手術をする場合は、数時間で解放し、子猫の所に戻して授乳させなければなりません。さもないと、彼らは死んでしまいますから。同腹の子猫を蓋つきキャリアに入れて、トラップの後ろに置いておくと、鳴き声に引きつけられた母親がやって来るものです。同様に、母猫をキャリアに入れておくと、誘い出された子猫を簡単に捕まえられます。ワナをすり抜けて逃げたオス猫をおびき寄せるには、発情期のメスを「おとり」にすればいいのです。

子猫を誰かに飼ってもらえるように手許で慣らしておくつもりなら、生後5、6週間で母親から引き離すべきです。猫を慣らすのは年齢とともにむずかしくなるもので、8週間を過ぎるとほとんど不可能です。となると、成長し過ぎた子猫は手術をして群れに戻した方がいいと言えるでしょう。

おとりの餌には、イワシ類、サバの燻製など臭いの強いものを使います。捕獲器の中に皿は入れないこと――トリップ板のバランスを狂わせるのです。外に餌をばらまいて「誘導路」を作り、ワナにおびき寄せます。ごく少量の餌を板の向こうに置き、床にしっかりと押しつけます。トリップ板の上には乗らず――つまり、歯止めがはずれて扉が閉まることなく――餌だけ失敬する「ちゃっかり者」がいるからです。なお、暑い季節には、ハエを寄せつけないよう、ドライフードを使う方が賢明です。
トラップが不安定だと猫は中に入らないので、必ず、固くて、平らな所に設置します。ダンボールや新聞紙、古毛布などをかぶせたり、ゴミ袋の中に入れて、それとわからないようにします。雨の日や暑い時は、適切な防御が必要です。ワナに掛かった猫は無力で、嵐のときには溺死したり、強い日差しに照らされて熱射病にかかったりすることもあります。雨が降りそうなときはビニールシートをかぶせますが、薄いものは風にバタバタあおられて猫を遠ざけてしまうので避けます。日差しをさえぎるには、タオル、毛布、ダンボールなどが多少とも役に立つでしょう。

公共の場所にトラップを設置する場合は、通行人の注意をあまり引かない所を選んだ方がいいでしょう――猫に害を与えているのではないかと誤解されるのを避けるために。ワナを仕掛けたまま放置しないように。といって、そばをうろうろし過ぎると、猫を恐がらせてしまいます。車の中か、気づかれないように監視できる場所で、静かに待ちます。ワナにかかった猫は無防備だということを忘れないこと。通行人が猫を放してやろうとしたり、逆に、いじめたり、または、トラップを盗ろうとするかもしれません。ですから、すぐ近くにいて、15分おき位に点検するようにします。遠くからでもバネが作動して扉が閉まる音が聞こえるでしょう。猫が捕まったら、直ちに、トラップに毛布をかぶせて、他の猫を恐がらせないように、現場から離れます。覆いをしないと、猫がパニックのあまり、のたうちまわって傷ついたりします。彼らはおびえているので、できるだけストレスを取り除いてやります。安心させるためにやさしく話しかけるのもいいでしょう。クラッシュ・ケージに移しかえて毛布でおおい、できるだけ早く手術を受けさせるよう手はずを整えます。ケージの扉が開いて猫が逃げ出さないように、しっかりと確認します。同じ場所に新しいトラップを設置することもできます。地面に餌の残りなどが落ちていたら、きれいに片付けておくこと。

猫を一晩拘束する場合は、トラップ、または、クラッシュ・ケージの底に新聞紙を敷いてオシッコを吸収させ、少しでも気持ちよく眠らせてやります。ストレスのあまり、吐くこともあります。使用後のトラップはきれいに洗うこと。猫はきれいずきな動物で、汚れた所には入りたがらないものです。

夜間の作業には懐中電灯が欠かせません。紐をつけて首からぶらさげるようにすると、両手が自由に使えます。カン切りとスプーン/フォークも忘れないように。挙動不審で尋問されるなど万一の場合に備えて、身分証明書を必ず携行すること。安全のために、捕獲作業はペアを組んで行なうのが原則です。お互いに相棒の居所を把握しておくこと。無用な危険を避け、常に充電された携帯電話を持ち歩き、緊急の場合は速やかに助けを求めます。

TOHOKU-PACIFIC QUAKE ANIMALS

Our priority now is on housing the remaining 16 dogs from the Tohoku earthquake and tsunami, many of whom have owners, but who are unable to take them back. The area (land) where the Earthquake dogs are now housed, has been rented for many years but now due to changing circumstances of the owners, is due to be returned to them. That means there is some urgency in building new kennels for them in Sasayama. Your continuing support is appreciated.
Donation F.A.Q.

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